top of page

悪趣味

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2019年6月17日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年10月18日



私はROM専としてpixivにIDを持っている。気になったジャンルの二次創作やオリジナルのBL作品を閲覧するため、というのが主な使用目的だ。イラストだけのものはほとんど見ないが、超絶技巧(だと私は思っている)風景画はたまに眺めたりもする。閲覧するBL作品は漫画が中心で、小説はあまり読まない。


そんな真っ当なROM専の私が、最近また別のpixivの楽しみを見つけてしまった。それは小説作品の中から「お知らせ」という検索キーワードに引っかかったものを読むことである。


pixivでは純粋な作品以外に投稿者からの連絡事項がアップされることがある。ポジティブな内容のものとしては、通販・再販のお知らせやリクエスト募集、フォロワーが○○人を突破したことに関するお礼文などがある。こういったお知らせは小説だけでなく、イラストや漫画として投稿されることも多い。


一方、ネガティブな内容はどういったものであるかというと、連載、あるいは執筆活動自体の休止やジャンル内でトラブルを起こしてしまったことへの謝罪文などである。それ以外にも、タグ付けや棲み分けに関する注意喚起や作品をマイピクに下げるといった、そのジャンルのルールにまつわるものもある。


私が読んでいるお知らせは後者のネガティブな内容のものだ。「ジャンルのルールに関するものは別にネガティブと限らないのでは?」と思われる方もおられるだろう。しかし、二次創作におけるルールというものは曖昧で人それぞれに異なるという傾向があり、何かしらのトラブルが起こったからこそ、わざわざ「お知らせ」として投稿されるのである。


自分のジャンルとは関わりのない「お知らせ」をわざわざ検索して読むなんて、我ながら酔狂だなと思う。言い訳をさせてもらうとすれば、私は二次創作や腐女子の世界に精通しているわけではなく、まだまだ知らないことが多い。それ故、こういった投稿から情報を仕入れ、自分の活動スタイルを時々見つめ直したりしているのだ。


私は「RPS」や「nmmn(ナマモノ)」と呼ばれる最もデリケートなジャンルにいるので、目立つようなトラブルは何としても避けたいと常日頃から思っている。最近、同じ界隈の別ジャンル(おじさん達が恋する某ドラマ)でトラブルが起こったらしく、作品をマイピクに下げるといったお知らせが検索画面にズラッと並んだことがあった。


オンタイムではなく、私は少し後になってからそのトラブルを知ったのだが、メジャージャンルということもあり結構な騒ぎになっていたらしい。何が起こったのだろうと気になって調べてみたところ、どうやらそのジャンルで活動している誰かが「pixivで二次創作をしています」とドラマの脚本家のTwitter(質問箱)に書き込んだらしい。


別ジャンルのこととはいえ、その書き込みを見た時は思わず「お、おうふ」と声が出てしまった。それがきっかけでマイピクに作品を下げる投稿者が続出し、お知らせラッシュになったというわけである。私は「ご愁傷様です」と心の中で手を合わせつつ、トラブルの発端となった人は今頃どうしているのだろうと遠い目になった。


どちらかと言うと、三次元の界隈にトラブルが起こりやすいイメージがあるが、二次元でも何かしらの揉め事は起こっている。ジャンルが変わってしまえばそこは別世界で(CP名とかほぼ暗号みたいだし)、ジャンル者の年齢層も違えば、人気作品の傾向も違う。


同じものを好きなはずなのに「同ジャンル者とノリが合わない……」と思っている人も少なからずいるだろう。私はひっそりと地味に一人で好きにやっているせいか、今のところ同ジャンル者から嫌味を言われたことはない。あれ? もしかして「いない人」になっているだけなのだろうか? まぁ、別にいいけど。小説も書かずに別ジャンルのトラブルを静観するという悪趣味は、まだしばらくの間続きそうだ。

Comentários


Join my mailing list

© 2023 by The Book Lover. Proudly created with Wix.com

bottom of page