文章診断
- 雨
- 2019年12月4日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年10月18日

以前から一度やってみようと思っていた「文章診断」というものをやってみた。かなり長い間小説を書いているが、自分の文章を客観的に分析したことは今までなかった。自分なりに、文章のバランスには気をつけているつもりでも、ほとんど感覚だけで言葉を並べているようなものなので、その文章を数値的に分析してみたくなったのだ。
今回は無料で文章診断ができる「文章診断ロゴーン」というサイトを使わせていただいた。詳しい説明はサイトを参照していただくとして、診断する文章の文字数は5000字が上限だったので、2000字強のSSと前回のブログ記事「君に伝わるものはあるのか」を診断することにした。果たして、小説とブログ記事の文章に明確な違いはあるのだろうか。
それでは、まずは小説(SS)の診断結果から。


文体が似ている作家として、芥川龍之介が一位というのは意外だった(じゃあ、他に誰か似た文体の人物がいるのかと言われれば誰も思いつかないのだけれど)。しかし、私は彼の『或阿呆の一生』という短編が好きなので、正直ちょっと嬉しい。そして二位の松たか子である。サイトの制作者がなぜテキストに彼女の文章を選んだのかは謎だが、私の文章はそれなりに女性的な部分があるのかもしれない。
文章評価の項目で「とても読みやすい」という結果が出て、これも素直に嬉しかった。なるべくシンプルに、わかりやすい言葉を使って文章を書いているつもりだったので、自分の感覚と他人の評価が同じでほっとした。他にはそれほど特筆することはないが、人と比べてあまり名詞を使用していないという新たな発見があった。
では、続いてブログ記事の診断結果を。


小説の方では芥川龍之介と文体が似ているという結果が出たが、今回の一位は井上ひさしだった。お恥ずかしい話、私は井上氏の作品をきちんと読んだことがない。なので、彼がどういう文体なのかざっと調べてみると、“「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」を創作のモットーとしており、文体は軽妙であり言語感覚に鋭い”とWikipediaに書かれていた。私みたいな者が言うのもおこがましいが、「文体が軽妙」という部分は似ているのかも……という気がしないでもない。
思わず笑ってしまったのが、三位に松本幸四郎の名前があったことである。親子で文体が似るのかどうか定かではないけれど、梨園の方たちと自分の文体が似ているというのは面白い。また、小説とブログ記事のどちらでも、異なる文体として岡倉天心が一位だった。彼については「美術界で多大な功績を残した人物」という知識しかないが、どうやら文章的には私と相性が悪いらしい。
そして、文章評価では文章の読みやすさが小説よりも低かったことに少し驚いた。その下には文章が柔らかいという評価が出ているので、文章が砕け過ぎている(あるいはふざけ過ぎている)のかもしれない。ブログ記事は口語的な表現が多いし、そこは小説とは異なっている。あとは、助詞の出現率が小説とピッタリ同じだった。これはまぁ……助詞という品詞の役割を考えればそうなるよなという感じである。
以上が私の小説とブログ記事の文章診断の結果である。一応、同じ自分が書いた文章でも、内容によってそれなりに書き分けができているようだ。それがわかっただけでも収穫があった。遊びとしても楽しいし、自分の文章どんなものであるかを知る一つのきっかけにもなると思う。文章を入力してボタンを押すだけで簡単に文章診断をすることができるので、興味がある方はぜひ一度試していただきたい。
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