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席を立つ/冬の朝

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2022年12月26日
  • 読了時間: 2分


朝から大雪が降った年末のとある日、最後のブログ記事を書こうと思った。のんびりと朝食を取り、昼近くになると雪は止んで、今は青空が見えている。窓の外に広がるのは冬のよく晴れた日だ。空気は冷たいけれど太陽の光はほんのりと暖かい。何となく、終わりを迎えるのに相応しい一日である気がした。


パソコンに向かう前、少しだけ過去の記事を読み返してみた。2019年からこのブログを始めて、書いてあるのはそう遠い昔のことではないはずなのに、とても長い時間が過ぎ去ったように感じる。その時に抱いていた感情が蘇り、懐かしさと共に、少しだけ寂しいような気持ちを覚えた。


このブログを書き始めた頃、私は書くことが楽しくて仕方なかった。ちょうど二次創作にのめり込んでいた時期だったし、ブログに書きたいこともたくさんあった。一次創作を再開した後も、バランスを上手く保って楽しむことができていたと思う。一次創作と二次創作、どちらの活動も大事にしたいと思っていた。


何度か書けない時期も経験したけれど、それらは通り雨のように過ぎ去っていった。私の長い創作歴の中では、書かない日々というのは当たり前に降る雨のようなものだった。いつ止むかはわからなくても、永遠に雨が降り続けるわけではない。だから私は、安心して何も書かない日々を過ごすことができた。


今回はそれが少し長引きそうな気がしている。夜の間に降り積もった雪が朝になって溶けたように、私の中に書きたいことが残っていないのだ。小説のアイディア、それを文章にしたいという気持ちが。あるいは、誰かに伝えたい何かが。「楽しい」というだけで書き続けてきたけれど、今はもう。


書くことが自分を表現する手段、というふうには考えていなかったけれど、書きたいという衝動がなければキーボードを打つ手は止まる。その衝動が戻ってくるまで、ひっそりと息を潜めていようと思う。もう二度と蘇ることがないなら、それはそれでいい。特に後悔はない。書くことを本当に楽しめたから。


2022年12月、この116本目のブログ記事をもって「2⇔1」を終わりにする。創作活動の記録としてブログ自体は残しておくつもりだが、おそらく再開することはないだろう。そう思いつつ、私は気まぐれなので(二次創作でも前科あり)先のことはわからないけれど。


通りすがりにでもこのブログを読んでくれた方がいたら、改めてお礼申し上げます。おそらく同じように小説を書いている方だと思うので、あなたの創作活動が実り多いものであり続けることを心から願っています。最後まで読んでくださってありがとうございました。

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