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長雨/霖

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2019年7月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年10月18日



前回の記事では何だからしくないことを書いてしまった。「私らしくない」ということではなく、「このブログらしくない」という意味である。エッセイ、いや独白と言うべきか、とにかくそういう文章はほどほどにしなければと思っている。自分のもどかしい感情は読み物としてあまり面白くないという自覚がある。


小説を書くことができない今、ブログに書きたいこともあまり思いつかないというのが正直なところだ。執筆関係で最近何かあったかなぁと考えてみると、最後に更新した小説(二次創作)に寄せられたあるコメントのことを思い出した。同じジャンルにいる、CP違いの書き手の方からいただいたコメントだ。


その方も現在、私と同じように執筆活動を休止しているらしい(「書けなくなってからしばらく経ちますが」という一文から推測した)。以前から私の小説を読んでいてくれていたようで、「雨さんのABとEFの小説が好きで、素敵なお話を読むと自分もまた何かを書きたい気持ちになります」とコメントしてくださった。


文章の言い回しについては所々フェイクが入っているが、私の小説を読んで創作意欲を取り戻すような気持ちになってもらえたのかなと、何だか嬉しかった。私は今まで、一次創作でも二次創作でも、自分の小説が他人の創作意欲を刺激するようなものであると実感したことはなかったから、余計に。


外側の世界を見渡すのではなく、内側の世界に目を凝らすようにして私は小説を書いてきた。小説でも映画でも、素晴らしい物語に感動したことはたくさんある。あぁ、自分もこんな物語を書いてみたいと思ったことも。でも、私にはその才能が不足しているとも感じていた。


誰かの書いた素敵な物語と、自分だけの感性で作り上げた物語の間には越えられない壁のようなものがある。私が素敵だと思うものと、私が書けるものは違っている。それは当たり前のことだし、他人の真似をするつもりもない。抽象的な言い方しかできないが、私の物語では「その先」へ行くことができないのだ。


「その先」とはプロになることかもしれないし、自分の小説に揺るぎ無い自信を持つことかもしれない。未だにそれがよくわからなくて、私はこんなにも長い間、何かしらの文章を、小説を書いている。彼女が言ってくれたことを素直に嬉しいと思い、自分はそんなことを言ってもらえるような書き手ではないと、気持ちはぼんやりとしていて。


小説を書かなくなってから一ヶ月が過ぎ去った。梅雨が明けるまでは無理そうだなと思う。空を雨雲が覆いつくして、まだしばらく雨は続く。私はうんざりしている。

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