GOOD BYE ver. white
- 雨
- 2020年7月11日
- 読了時間: 4分
更新日:2020年10月18日

6月某日、約三年間続けてきた二次創作の活動を休止した。表向きは「無期限の活動休止」ということになっているのだが、本人的には実質「引退」したも同然である。特定されることを避けるため、今から書くことは全てが真実というわけではない。今までと同様pixivで小説を投稿していると仮定し、色々とフェイクも入れていく。しかし、心情的なことだけは正直に書いていこうと思う。
二次創作を休止しようと決めた時、私には手をつけていない小説のアイディアが一つだけあって、それを形にしようかどうか悩んでいた。長い間続けていたシリーズが完結し、その最終話が自分でも納得できる出来だったので、書きたい気持ちはあってもそこで綺麗に終わらせた方がいいと思っていた。
数日間ダラダラと悩んだ挙句、私はそのアイディアを形にすると決め、最後の二次創作小説を書き始めた。いつもより丁寧に、時間をかけて頭に浮かんだシーンを言葉にした。小説を書き始めてから約一週間後、出来上がった推しCP(BA)の長編小説と、無期限で二次創作の活動を休止するという報告文を投稿した。
その小説は一晩で一気にブクマが付き、その伸び率は過去最高だった。私が書くBAのブクマの平均は二桁後半なのだが、数日で三桁を超え、コメント欄には普段の10倍のコメントがついた。それを見た時、読者の方々の反応が自分へのはなむけのように思え、あぁ、これで本当に終わりなのだと実感した。
私のマイピクやフォロワーにはBAが好きだという人が多かったので、最後に彼らの小説が書けて良かったと思っている。二人の想いが通じ合うまでの、有り触れた、場面転換もほとんどないような小説だが、それを読んだ人から「本当に好きだ」と言ってもらえて嬉しかった。数字のことだけでなく、私にとって思い出深い小説となった。
名残惜しい気持ちは、もちろんあった。「雨さんの書く二人が本当に好きでした」、「またいつか戻ってきて欲しいです」と言われて胸が切なくなった。その一方で、もう何も書きたいことは残っていないという思いがあって、最後にしっかりとした小説を書くことができて満足した自分がいることも確かだった。
今は「終わり」というものに対する寂しさが消え、どこか清々しい気分である。私は誰かから誹謗中傷されることもなく、楽しく二次創作の小説を書くことができた。ずっと壁打ちだったし、同じジャンルで友人のような存在もできなかったけれど、思ったよりたくさんの人に小説を読んでもらって、それなりの評価を得ることができた。
私は根っからの腐女子というわけでもなく、常に何かしらの二次創作をしているオタクというわけでもない。オンのみで活動し、同人誌を作ってイベントに参加したこともない。ただ、好きなCPの小説を書いて、それをネットの限られた範囲で公開していただけだ。欲していたものは交流でも承認欲求を満たしてくれる存在でもなく、妄想が空になるまで小説を書き続けることができる「環境」だったのかもしれない。
何はともあれ、私の小説にお付き合いしてくださった方々には本当に感謝している。いくら自分が好きでやっていることとはいえ、読者という存在がなければ、私はもっと早い段階で書くことを止めていただろう。自分の小説を「好き」と言ってもらえることがシンプルに嬉しかった。それを私に伝えてくれたことが、何よりもありがたかった。
先のことはわからないが、私が二次創作で小説を書くことはもうないような気がする。漫画やアニメ、ゲームなどにはほとんど興味がないし、好みのジャンルがあったとしても、自分で創作しようと思うほどのめり込むことはないだろう。これまで活動した二つのジャンルは、私にとってかなり特別なものだった。
今後、二次創作に関しては過去の経験や「元書き手」として思うことを、時々ブログ記事に書いていきたいと思う。自分の小説もたまに読み返して、誤字脱字を見つけたらこっそり直しておこう。「誤字脱字の呪い」はまだ当分解けそうにないみたいだし。
何か問題が起こったとかではなく、自分が納得できる形で幕を引くことができて良かった。「幕の引き方」という過去の記事で、“はっきりと「これで終わり」という時が来たら、私はその時に何を思うのだろう”と書いたことがあった。今、ようやくそれを知ることができた。私が思ったこと、それは……。
「やれるだけのことはやった。楽しかった!」である。
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