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いいわけ劇場

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2019年8月28日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年10月18日



8月も残りわずかとなり、夏が終ろうとしている。予定通りと言うか、夏の間は少し執筆ペースを落とそうと思っていたので、今月は小説を2作しか書かなかった。小説を書く代わりに外出したり、積読の本(村上春樹編訳の『恋しくて』ついに読み終えた。ハズレなしの短編集なのでおすすめです)を消化して過ごしていた。


まぁ、それはいつも通りのことなのだが、最近はスマホのパズルゲームを狂ったようにやり込んでいた。元々、私はゲームの類にあまり興味はなく、テトリスとどうぶつの森とモンスターハンターぐらいしか真面目にやったことがなかった。ちょっとした暇潰しのつもりだったのに、気づけば休日のほとんどをそのゲームに費やしてしまっていた。


私は目の前に解くべき問題があると、それをクリアするまで延々と続けてしまう癖がある。そのパズルゲームには何百ものステージがあり、新しい問題が提示されるとそれを解かずにはいられないので、何かきっかけがないと止められない。非生産的なことばかりに集中力を発揮してしまうという悲しい性分なのだ。


ゲーム自体は楽しいのだが、丸一日そればかりしていると「私は何をやっているんだ……」と虚無感に襲われる。罪悪感と言ってもいいかもしれない。遊びなので楽しければそれでいいはずなのに、何故なのだろう。


これがゲームではなく小説だった場合、そういった「何やってんだ私」という感覚にはなったことがない。大きなカテゴリーで分けるとゲームも小説を書くことも同じ「趣味」と言えるはずなのに、感覚がまるで違うのだ。長時間小説を書き続け、それを書き終えた後は充実感を覚える。一日の終わりに感じるものが、ゲームと小説で全く違っているのだ。


そこそこ集中力はあっても、私が本当の意味で「ゲーム廃人」になれないのは、そういう理由があるからなのだろう。小説を書いても別にお金が貰えるわけではないし、その点はゲームと同じなんですけどね。因みにどちらが高尚な趣味であるとか、そういう話ではないです。何で急に敬語になったのかは自分でもよくわかりません。


基本的には熱しやすく冷めやすい性格なので、ゲームにはそのうち厭きてしまうだろう。夏が終わったら少し真面目に小説に取り組んでみようと思う。久しぶりに長めの話も書いてみたいし。前向きな「書かない時期」はそろそろ終わりだ。あまりのんびりしていると「明日から本気出す」状態から「何かもう、書かなくてもいいや」という負のスパイラルに入ってしまう。その時はゲームのアプリをアンインストールして、心機一転やっていこう。


最後に群ようこさんの小説『いいわけ劇場』を記事のタイトルにお借りした。ずいぶん前に読んだ小説で、内容はあまり覚えていない。今になって、何故それを思い出したのかは謎である。

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