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それが私のお気に入り

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2019年4月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年5月10日



とある過去の記事で、私は「プロットを作ったことがない」と書いた。物語に取り入れる要素を箇条書きにすることはあるが、プロットと呼べるほどのものではない。書き始める前にラストが見えていればそれに向かって進むだけだし、見えていないのなら書きながら模索していけば大抵はあるべき終焉へと辿り着くことができる。


そんな行き当たりばったりなノリで小説を書いている私だが、二次創作を始めて少しした頃、張り切って「ネタ帳」を作ってみた。「Rollbahn」のポケット付きメモ、スリムサイズ、表紙は黒。当初は三日坊主になる未来が濃厚だったが、小説のアイディアを書き留めたり、月毎の進捗を書きこんだりしていたら一年と少しで使い切ってしまった。


現在でもそのメモ帳は手元に残っていて、たまに見返すと面白いので捨てずにいるのだが、自分以外の誰かに見られたら万死に値する代物である。もし私が突然この世を去る事態となってしまったら「真っ先に消去して欲しい遺品No.1」だ。あれ? もう死んでるんだから別に見られてもいいのか? まぁ、それはそれとして。


ネタ帳と話は変わって、小説の元データはパソコンとUSBで保存しいる。これは小説(+写真と旅行記)ブログをやっていた頃からの習慣で、小説でなくとも長めに書いた文章は全てバックアップをとっている。こちらはロックをかけておけば私以外の人間が目にすることはないので、ネタ帳よりは人に読まれる危険性が低い。


小説を書くにあたって、こういう小物というか、ガジェット的なものを揃えるのが個人的に結構好きだったりする。誰かに見せるわけではないし、小説を書くことと同じく完全に自己満足なのだが、気に入ったものを身の周りに置いて使うのは楽しい。


私は、自分で書いた文章を割とよく覚えている方だと思う。特に自分で気に入っている一文はそのまま暗記していていたりもする。言葉として正しいかどうかはわからないが「文章的ナルシスト」といった感じだ。上手く書けた文章も、それほどでもない文章も、自分で書いたものにはやはり愛着がある。


そういったものを自分以外の誰かに読んでもらって、データやアナログで形に残して、それらがどんどん積み重なっていくのは感慨深いものがある。リアルとは別の場所で積み重ねてきた自分の世界が、何だか愛おしい。あと一時間弱で新しい年号が発表される。4月も始まったことだし、また新しいネタ帳でも買いに行こう。

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