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ほとんど恋

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2019年2月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年10月18日



二次創作でBL小説を書き始めたきっかけ。それは「めちゃくちゃ萌える作品に出会ってしまったから」という理由に尽きる。身バレの可能性が無きにしも非ずなので作品名は伏せるが、人気作家(現代小説)の映画化もされた小説だった。


その作家の名前は前から知っていたし、小説もいくつか読んだことがあった。当時その作品(仮に『A』とする)は未読のままで、映画化されてかなり経った後、たまたま深夜にテレビ放送されることを知った。『A』という小説の名前は知っていたので「面白いかも」と思い、私はその映画を録画して後日見ることにした。


冒頭で書いた通り、それがめちゃくちゃ萌えた。BL妄想とは関係なく作品自体も素晴らしかった。私の好きな俳優が主人公を演じていたというのも大きいかもしれない。ざっくりした内容は特殊な兄弟が謎解きをするミステリーで、その兄弟の関係にすっかり心を掴まれてしまった。


もちろん映画で描かれていたのは「家族愛」であって「恋愛」ではない。しかし、私の頭の中で二人の恋愛が勝手に描写され、どうしても『A』の二次創作が書きたくなってしまった。今まで人の描いた(書いた)BL作品で満足できていたのに、それだけでは我慢できなくなった。その作品が二次創作ではマイナーだったということもあるかもしれない。


映画の公開からすでに5年以上が経っていたし、原作も未読状態だったが、私は『A』の二次創作を書き始めた。途中、ふと書く気力がなくなって一旦ストップし、仕上げるまでに半年近くもかかってしまったが何とか完成させた。そしてその処女作(初めてのBL二次創作)を某投稿サイトに投稿した。


原作の小説が発表されてから10年が過ぎ、投稿されていた同じジャンルの作品数も少なかったので、閲覧もほとんど回らないかもしれないと思っていた。しかし、どこかには「同士」がいるもので「いいね!」をくれる人が現れ、2作、3作と書いていくうちにいくつかコメントもいただくようになった。


今まで一次創作では扱ったことがなかった「同性同士の恋愛」を書くのが予想以上に面白かった。二次とは言え、数名の方から反応をもらえたことも嬉しかった。数だけを見れば大したことはなくても、自分と同じものを好きな誰かに小説を読んでもらえるというのは二次創作ならではの楽しさだなと感じた。


「二次創作は“萌え”が全て」ということを理解したのも、自分が実際に小説を書くようになってからだった。一次創作と二次創作では「書く目的」みたいなものが異なっている。これを境に、一次創作を長くやってきた私の興味が急激に二次創作へと傾いていった。

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