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やっぱり壁打ちしか勝たん

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2021年7月1日
  • 読了時間: 4分


何だか私らしくないタイトルで書き始めてしまったが「勝たん」の使い方はこれで合っているだろうか。この言葉の元ネタもよくわからないし、ネットの流行にも疎いので、もし間違っているようならそっとスルーしていただきたい。とりあえず、私が言いたかったのは「やっぱり自分には壁打ちが向いている」ということだ。


ここ数ヶ月、二次創作の方でよくコメントやDMをいただいていた。不思議なことに、小説の感想というものは来る時期が重なる場合が多い。コメント欄での気軽な感想もDMでの長めの感想も私は嬉しい。壁打ちのスタイルで活動してはいるが、いただいた感想には必ず返信を書いてお礼を伝えている。


あくまで「感想は嬉しいもの」と前置きした上で、ここ数ヶ月の間に少しモヤモヤした出来事があったので、今回はそれを書いていこうと思う。万が一のことを考えて時系列や細かい内容にはフェイクを入れ、いつもと同じように、小説はpixivに投稿しているという設定で進めていく。


その方(仮に「Aさん」とする)は、昔からちょくちょく私の小説に感想を送ってくれるROM専さんだった。数ヶ月前、また久しぶりにAさんから感想のDMが届いたのだが、そこに「自分も雨さんに憧れて小説を書き始めました」という報告があった。投稿はpixivではなく他のサイトのようで、少しずつ評価され、感想をもらうことができたと書かれていた。


「雨さんのおかげで本当に嬉しい経験をすることができました」という一文を見た時は、素直に自分がそのきっかけになれて良かったなと思った。私の意図とは関係なく、人に良い影響を与えられたならそれは光栄なことだ。しかし、メッセージの最後に「いつか雨さんにも小説を読んでもらえるように頑張ります」書かれていて、正直、それまで感じていたしみじみとした気持ちがすっと凪いでしまった。


こういう言い方をすると「マジで勘繰り過ぎ。性格悪っ」と思われるかもしれないが、反射的に「それは私にあなたの小説を読んで自分のように感想を送れという意味ですか?」と解釈した。私のプロフィールを見れば「ブックマーク0、フォロー0」という壁打ち状態であることがわかるのに。もしかしたら、RPSという特殊なジャンルなので、ブクマやフォローは非公開にしていると思われているのかもしれないが……。


その最初の報告メールには当たり障りのない返事を返し、Aさんとのやりとりは一旦終了した。数週間後、私が新作を投稿すると、またAさんから感想のDMが届いた。そして今度は「私もpixivで小説の投稿を始めました」と書かれていた。


外堀を埋められている。「読んでください」という直接的な文章ではないものの、これはもうそういうことだろうとしか思えない。元々、私は自分が書く側にいるジャンルでは他の書き手の作品は読まない。萌える話はたくさんあるのかもしれないが、影響を受けたり、自分と似たような話を見つけてしまったり、うっかり地雷を踏んでしまったりするのが嫌だからだ。


私は迷った末、とりあえず小説のキャプションだけでも読んでみようと思い、Aさんのアイコンをクリックして彼女のプロフィールページに飛んだ。恐る恐る作品欄をチェックしてみると、私と同じ推しCPの小説が三作ほど投稿されていた。あぁ、逆CPでなくて良かったと思ったのも束の間、それらの小説には「死ネタ」や「♡喘ぎ」とタグ付けがされていたのである。


はい、終了です。推しCPに関しての死ネタは地雷です。漫画やアニメですでにお亡くなりになっているキャラクターなら理解できるけど、若く健康的な実在の人物を何故に抹殺しようとするのか理解できん。「死」をテーマにすればシリアスで深い愛が描けるとでも思っているのか? ♡喘ぎは一億歩ぐらい譲って何とか読めるかもしれない。いや……やっぱり無理です。解釈違いです。私はそういう性癖ではありません。


とまぁ、こんな感じで思わぬ角度からダメージを負ってしまった次第である。結局、私は鈍感な振りをしてAさんの作品をスルーし、小説の感想に対するお礼だけを書いて返信のメッセージを送った。新作を投稿する度にこんなDMが届いたら恐怖でしかない。というか、Aさんは本当に私の小説が好きなのだろうか。彼女の小説を読んでいないので定かではないけれど、私の小説とは全くテイストが違うだろうに……。


今でも、いただいた感想にはきちんとお礼をしたいという気持ちは変わらない。それと同時に、やっぱりその相手と親しくなり過ぎるのはタブーだなと思う。Aさんが純粋に、私の小説のファンだった場合は申し訳ないけれど、今後も壁打ちのスタイルを変える気はない。


しばらく二次創作の活動は休止する予定だったので、ちょうど良かったかもしれないと思っている。新作を投稿しなければ感想のDMが届くことはないし、彼女と距離を置くことができる。Aさんがどんな小説を書こうと彼女の自由だし、楽しく創作活動をしてくれればいいなと思う。ただ、創作における書き手同士の「ギブアンドテイク」は私には無理なのだ。何かすみません。あなたとは未来永劫「書き手と読み手」という関係でいさせてください。

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