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タイトルのために書いている

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2019年2月9日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年10月18日



字書きが小説を書く過程において、一番好きな作業は何だろうか。頭の中でストーリーを考えること、文字を書いているその瞬間、小説を書き終えた後の推敲など、それぞれに好きな作業があると思う。私が好きな作業を一つ上げるとすれば、それは「タイトルを考えること」である。


私は小説を書こうと思った時、タイトルやテーマを決めてからストーリーを考えるという書き方をすることがある。ストーリーより先に何らかの単語がふと頭に浮かび、自分でもどんな結末になるかわからないまま小説を書き進めていく。逆に、書きたいシーンや話の流れが先にあって、全て書き終えてからタイトルを考えることもある。


タイトルは読者が最初に目にする部分であり、その小説のイメージや雰囲気を表すものなのでこだわりがある人も多いだろう。書店でもネット上でも、読者が何か面白そうな小説はないかと探している時、タイトルで興味を引くことができれば手に取ってもらえる(もしくはクリックしてもらえる)可能性が上がる。


BLの二次創作で言うと「タイトル=内容」のような小説の方が個人的には読まれやすいと思っている。例えば「AとBが〇〇する話」とか「冗談で好きだと言ったら襲われました」みたいなタイトルだ。注意書き等を読まなくてもタイトルで「あぁ、そういう話ね」と分かれば読者側の手間が省ける。


読者としてそんなふうに思っていても、自分の小説にそういうタイトルは付けたくないというのが私の本音だ。一次創作と二次創作でタイトルの雰囲気を多少変えているが、根本的に付け方は同じである。物語のキーワードとなる単語だったり、文中の一節をそのまま使ったりと、パッと見ではどんな話かわからないようなタイトルが多いかもしれない。


シリーズものを書く時は、最初の作品と次の作品のタイトルを繋げると一つの文章になるという付け方も気に入っている。物語が前後編に分かれる場合、前編が『雨の夜に』だったら後編が『月は見えない』として、二つを繋げると『雨の夜に月は見えない』になるといった感じである。


また、小説のラストでようやくその意味に気づくタイトルも好きである。読者に「最後にタイトルの意味がわかって鳥肌が立ちました」と言われた時はかなり嬉しかった。たぶん私は、小説というより言葉自体が好きなのだろう。もしかしたら、そのたった一言だけを伝えるために、私は小説を書いているのかもしれない。

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