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似ているけれど「同じ」ではない

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2020年10月8日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年10月18日



唐突にスランプがやって来るのと同様に、そこから抜け出すのもまた突然であることが多い。久しぶりに名言っぽいことが言いたかったのですがどうやら失敗しました。前回、スランプ状態である自分のことを記事にした後、しばらくして、急に一次創作の小説を一本書き上げることができた。一次でちゃんとした新作を書いたのは久しぶりのことだったので、無事に書き上げることができて本当に嬉しかった。


今まで、一次創作では主に一人称を使っていたのだが、今回は三人称で物語を進めてみた。小説自体はなかなか良く書けたと(自分では)思っているのだけれど、一点だけ気になることと言うか、書いていて「あれ?」と感じることがあった。地の文や会話の構成が、自分が過去に書いた二次創作と酷似していたのである。


「同一人物が書いているのだから酷似して当然では?」と思われるかもしれない。確かに、私は一次と二次で文体を書き分けたりはしていない。文章全体の雰囲気も同じようなところがあると思う。しかし、描写の仕方には(具体的に言葉で説明するのが難しい)違いがあって、人物の動きや状況説明など、一次と二次で全く同じというわけではなかった。


もう少し分かりやすく書くと、推しCPの二次創作小説を頭を挿げ替えて書いているような感覚になったのだ。私は二次創作でBL小説を書いていて、今回の一次創作の主人公はセクシャルマイノリティの女性だった。二次創作におけるBLと現実のLGBTQを同一視しているわけではなく、寧ろ別物だと私は考えている。だから、一次創作で書きたい物語が無意識に二次創作の感覚へと引っ張られたわけではないと思うのだが……。


二次創作で身についた描写の手癖みたいなものが、自分で思っているよりもずっと強く残っているということなのだろうか。二次では圧倒的に三人称で書いた小説の方が多かったし、自分の中で「一次創作は一人称、二次創作は三人称」という意識が根付いてしまったのかもしれない。


何だか、それはちょっと不味いんじゃないかという気がする。ぶっちゃけた話、二次創作は「萌えこそ全て」という言葉を念頭に置いていたので、文章の一つひとつに洗練さを求めてはおらず、割と説明文的な文章も多かった。どちらかと言うと感情的に言葉を並べ、丁寧さに欠ける部分があったのではと自覚している。


二次創作で書いていたような文章も嫌いではないが、冗長にならない程度に、もう少し描写の仕方を改善しなくてはいけないと感じている。今になって新しい手癖(今更だけどこの表現って合ってるのか?)ができたり、描写の仕方を見直すことになるとは思ってもみなかった。それと同時に、自分の文章がまだ変化、もしくは進化する可能性があるということに多少わくわくもしている。

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