何者でもない
- 雨
- 2019年7月22日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年10月18日

私生活でもインドアな私は、二次創作でも引きこもって活動をしている。これまで何回か書いてきた通り、私には同じジャンル者、腐女子の友人がいない。故に、ジャンル内で自分が周りからどう思われているのか全く知る術がない。まさか同じジャンルにいる方に「私のことどう思います?」なんて聞けるはずがないし。
心の内のことなので他人と比べるのが難しいが、私にはあまり承認欲求がない。もちろん、全くないということではなく「あー、何かよくわからないけど勇気づけられるような感想が欲しい……」と無性に読者からの反応を欲してしまうこともある。因みに、個人的には数字よりもそういった言葉の方が魅力的に感じる。
ここからは毎度お馴染み、pixivのシステムに置き換えてフェイクを交えた過去の話。RPSの小説を書き始めた頃、全体公開で投稿するのは不味いと思い、自作の小説をマイピク限定で更新することにした。マイピク申請に関するお知らせとサンプルの小説をアップし、それからはスタンスを変えずに投稿を続けてきた。
ありがたいことに思ったよりたくさんの方からマイピク申請をしていただき、中には小説の感想を一緒に送ってくださった方もいた。マイピクの希望者には以前からの読者だという方、サンプルの小説を読んで興味を持ってくださった方が多かったのだが、その他に「人から薦められて」という方が数名いた。
“私の大好きなBAの絵描きさんがTwitterで雨さんのことを絶賛していて”
“CA・DA好きの友人からpixivに素晴らしい小説があるからと薦められて”
“同じジャンルの〇〇さんから素敵なEFを書かれている方がいると聞いて”
自分で書いていて恥ずかしくなってきたが、マイピク申請の際のメッセージにこういったことが書かれていた。ただの自慢だと受け取られても弁解はしない。私も最初にメッセージを読んだ時は普通に「照れ+嬉しい」の感情が湧いた。しかし、今になって冷静に考えてみると果たして手放しで喜ぶべきことなのだろうかと思えてきたのである。
決して陰口を言われているわけではなく、彼女達は私のことを褒めてくれている。その点には何の不満もない。自ら宣伝するのではなく、口コミで読者が増えるなんて恵まれている。けれど、私の知らないところで「雨」という書き手が話題にされていることに、少し奇妙な感覚を覚える。
私はTwitterもやっていない、いわゆる「壁打ち・交流無し」という二次創作者だ。オンのみで活動し、私の素顔を知る人はジャンル内に存在しない。Twitterで頻繁に交流したり、オフで食事をしている人達とは明らかに異質な存在である。私の小説をよく知っている人はいても、私の人となりを知っている人は皆無なのだ。
そんな「得体の知れない自分」が人に噂されることに、何と言ったらいいのだろう……、ある種の違和感というか、とにかく喜びだけではない何かを感じる。他人が自分のことをどう思おうと別に気にしないはずなのに。私のことを誰かが話題にしている。私のことなのに、私の知らないところで、私抜きで。
もしかしたらこれは、仲間外れにされたような、そんな子供っぽい感情なのかもしれない。私は「雨」とイコールの存在で思い入れもあるが、所詮、大勢の中の一人に過ぎない。他人からすれば、淡々と小説を書き続けるだけの何者でもないその存在が生身の人間だという認識は、私が思うよりずっと低いのだと思う。
結局、何が言いたいのかよくわからない文章になってしまった。一人で小説を書き続けることに少し疲れたのだろうか。「いやいや、あんたこの間復帰したばっかじゃん」ともう一人の自分がツッコミを入れてくる。「っていうか、“交流めんどくせー”が本音だよね?」とも。まぁ、そうなんだけどさ。
そう言えば、ブログの記事を書いたのは久しぶりだ。最近ずっと小説に集中していたから、いい気分転換になった。
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