原作が最大手
- 雨
- 2020年12月16日
- 読了時間: 3分

今日は小説とは関係なく、今クールのドラマについて少し書こうと思う。昔に比べ、最近は連ドラをほとんど見なくなったのだが、現在は二本のドラマを視聴している。一つはシーズン1からずっと見ている『相棒』で、もう一つは『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』だ。
今回ブログで触れるのは『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』、通称「チェリまほ」というドラマである。私は今まで、漫画原作の実写化BLというものは一度も見たことがなかった。それでも、何となく知っている(pixivにも掲載されている)漫画が原作だったので、試しに一話を見てみたら、まんまとチェリまほにハマってしまったのである。
少しだけ、過去に視聴したことがある男性同士の恋愛を扱ったドラマを振り返ってみると、数年前にブームになった『おっさんずラブ』が記憶に新しい。しかし、私はあのドラマにあまり関心が持てなかった(あれは確か、原作のないオリジナルドラマだった気がする)。一応、腐女子の端くれとして何話か視聴してみて、BLというよりはコメディとして面白いなと思ったくらいで、結末がどうなったのかも知らないくらいだった。
BLドラマで面白い(萌える)と思ったものは、地方局で制作された『his~恋するつもりなんてなかった~』ぐらいで、ドラマを気に入っても続編の映画までは見なかった。高校生同士の恋愛、不安定な性の揺らぎみたいなものを描いたドラマはすごく良かったのだが、映画版の「同性カップルが周囲の理解を得るために奔走する姿を描いた人間ドラマ」というテーマには「うーん……そういうことじゃないんだよなぁ」という感じで、わざわざ映画館へ見に行こうとは思わなかった。
別のドラマの話はこれくらいにして、どうして自分がチェリまほにハマったのかを考えてみると、まず主人公二人のキャストがこれ以上にないというくらいベストな人選であることが挙げられる。メジャーな俳優ではなく、かと言って全くの無名というわけでもなく、丁度いい距離感で彼らを「安達と黒沢」として捉えることができる。漫画原作を実写化するにあたって一番ネックになってくるであろうビジュアルも申し分ない。
安達役の彼に関しては、芝居が上手いというわけではないけれど(失礼なことを言って申し訳ない)、ほんわかして可愛い感じが本当にぴったりだと思う。マジで仕草がめちゃくちゃ可愛い。可愛いが天元突破している。黒沢役の彼は顔の造形が見事だし、良い意味で「典型的な爽やかイケメン」を絵に描いたような人であると思う。何より、安達に向ける笑顔や様々な表情で、本当に彼のことが好きなんだなと思わせてくれるのが素晴らしい。
ストーリーに関しては未視聴の方がこの記事を読むかもしれないので具体的には書かないが、私は結局「一生懸命に誰かを好きになる」男性の姿が好きなのだと思う。それに加えて、恋が始まっていくあのドキドキとした感じが何度でも見たいのだ。付き合いたての初々しい感じとか、戸惑いとか、今の自分ではたぶん経験できない恋愛のあれこれを「尊い……」と感じているのだと思う。
という具合に、毎週チェリまほの放送を楽しみしている私だが、原作がすでにBL作品であるため、二次創作をしたいという気持ちはゼロに等しい。ある意味、原作が最大手って最強だなと思う。もちろん、原作には描かれない「if」が好きな人もいるとは思うけれど、個人的にはただただ公式から与えられる二人の姿を眺めていたい心境だ。複雑な人間関係とかではなく、シンプルに幸せそうな二人を見ているとほっとする。私にとって、チェリまほはまさに癒しのドラマなのである。
Comments