売り物にはならない
- 雨
- 2019年6月9日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年10月18日

最近、投稿サイトにアップしている一次創作小説の反応が良くなってきた。数にすると全然大したことはないのだが、小説をアップしたその日に読者から「いいね!」等の反応がある。小説の投稿を始めた頃は閲覧だけが回る状態が続き、反応をもらえたのも投稿してからある程度時間が経った後だった。なので、私にとってこの現状はかなりの進歩だと言える。
更新している小説の傾向は割とバラバラだったりするので、固定のファンを獲得するのは難しいだろうなと思っている。なので、作品の一つだけでも気に入ってもらえれば御の字である。欲を言えば(私は特定の読者層をターゲットにして小説を書いているわけではないので)できるだけ色んな性別、年代の人に小説を読んでもらいたい。
現在、私はブログ村の「小説家志望」のカテゴリーに参加しているのだが、本格的にプロを目指しているわけではない。ブログ村のプロフィールにも書いてある通り、執筆に関する記録をどのカテゴリーで書けばいいのかわからなかったので(作品を載せるわけではないので「現代小説」とかはちょっと違うなと思い)、とりあえずそこに参加したというだけだ。
とは言え、私も過去にはいくつか短編の文学賞に応募した経験がある。もう10年以上も前のことだ。文学賞のために小説を書き下ろすのではなく、既存の作品の中から応募要項に見合ったものを選び、少し手直しをして応募するという形だった。結局、規模の小さな文学賞で審査員特別賞を一度もらったきりで、その他は箸にも棒にもかからない結果だった。
文学賞に応募するための傾向と対策を怠り「本気で取り組んでないんだから仕方ない」と言い訳をすることもできるが、その経験を通して、私は自分の小説は売り物にはならないのだと思い知った。ネット上で、無料で読めるのならそれなりだが、金銭という対価を支払うまでのものではない。客観的事実として、第三者からそれを突き付けられた。
前から薄々気づいていたことだとは言え、やはりそれなりにショックだった。心のどこかでは「もしかしたら」と期待していた。しかし、私の「好きなことだけ書いていたい」という気持ちから生まれたものは、自分以外の人間にとっては魅力的なものではなかったのだ。そして、自分の好きなようにしか書けない私は、プロにはなれなのだと確信した。
もう少し正確に言うとすれば、私は「努力をして物書きのプロになることを望んでいない」ということがわかった。私の執筆活動が趣味の範囲を超えることはなく、この先も仕事にはならないだろう。でも、書くことは楽しいから止めたくないし、自分以外の誰かにも小説を読んでもらいたい。あわよくば、その小説を好きだと言って欲しい。
そんな思いの行き着いた先が、今の私の状況である。あぁ、二次でも一次でもいいから、また小説が書きたい。その「書きたいこと」が目の前に現れるまで、あとどれくらいかかるのだろうか。
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