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幕の引き方

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2019年9月9日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年10月18日



9月に入って少しした頃、二次創作の小説を一作書いてサイトに投稿した。以前、「去る者は追わない」という記事で現ジャンルの二次小説が「今年中には確実に100作を超える」と書いたのだが、いよいよその100作が目前となった。現在は記念すべき100作目の小説の内容をどうしようかと、悩みながらもそれを楽しんでいる状態だ。


しかし作品数三桁という大台が見えてくると、自分はいつまでこのジャンルで小説を書き続けるのだろうということを考えてしまう。私はパロを書くことにそれほど興味がなく、物語のパターンみたいなものは少ない方だ。基本的には甘く切ない系のハッピーエンドで、シリアスはたまに書くが、バッドエンドは好まない。


もう、このジャンルで自分の書きたいことはあらかた書いてしまったような気がする。少し角度を変えれば話はいくらでも展開できるのだけど、私の萌え(あるいは書きたいこと)は決まった形をしている。要するに、シチュエーションが違っても書きたいことは同じで、CPの関係性を大きく変えたいとも思っていない。


物語にはいつか終わりが来るし、恋人同士の関係も時間が経つにつれて変化していく。その変化を書けば物語を長く続けることはできるのかもしれないが、どんな形であれ、そこには別れしかなくなるわけで、男女の恋愛のように結婚という有り触れたゴールを用意するようなこともしたくない。そもそも、結婚はゴールでも何でもない。


何となく、BLに関しては時間を進めることに躊躇いがある。今この時か、過去のある瞬間を切り取るような話しか書けない。甘く幸せだけれど切なく不安にもなって、最後はまたいつもの二人に戻る。私が好きなCPの二次創作に求めているのは、たぶんそんな感じの物語だ。


読者を飽きさせないために多種多様なストーリーを考えるのではなく、自分の好きなものを淡々と書き続ける。一次創作を書く時のモチベーションと似ているようで、何かが決定的に違っている気がする。小説という形態は同じだけれど、求めているものと表現したいものも、おそらく違っている。


時々「更新楽しみにしています」と言ってくれる人がいるけれど、彼女達の目に私の小説はどんなふうに映っているのだろう。全部同じような形をしていて、読んでいて飽きないのだろうか。それとも彼女達も私と同様、読みたいと思う物語は一つなのだろうか。


2017年の今頃から現ジャンルの小説を書き始めて、最近はどこに終わりがあるのだろうと考える。推しCPのリアルな活動はこれからも応援し続けるつもりだが、二次小説を書くことはそれほど長く続けられないかもしれない。はっきりと「これで終わり」という時が来たら、私はその時に何を思うのだろう。

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