彼女は消えていた
- 雨
- 2019年7月10日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年10月18日

はじめに
今から書くことは二次創作に関する過去のブログ記事「去る者は追わない」、「お久しぶりです」に続く内容となっています。具体的な説明を省いているので、その二つを読んでいないと分かりにくい部分があるかもしれません。また、これまで通り私がpixivに投稿しているという設定で話を進めていきたいと思います。
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基本的に、私は自分が小説を書いているジャンルで他の方の作品は読まない。読むジャンルと書くジャンルは別ということもあるし、書くジャンルは自分が小説を書くことで満足してしまうからだ。そんな私だが、執筆活動を再開してすぐ、気まぐれから自分のマイピク兼書き手の方がどれくらい小説を書いているのかなと、マイピクの新着一覧を覗いてみたことがあった。
創作の場をpixivからTwitterへ移した方が多いようで、現在、継続して小説をpixivに上げている人は数えるほどしかいなかった。元々、私のマイピクはROM専の方がほとんどだったこともあり、確認作業はすぐに終わってしまった。読み手はいるけど書き手は少ないのかなぁとしんみりしていると、不意に彼女のことを思い出した。
私の作品を全てブクマしてくれていて、いつの間にか私とはCP違いの書き手になっていた彼女。しばらくTwitterで活動していたらしいが、そのTwitterやpixivのアカウントは削除され、新しく作り直したアカウントから再び私にマイピク申請が送られてきた。そして、今後はpixivのみで活動していくとプロフィールに書かれていた。
それまで忘れていた彼女の存在を再び思い出した時、私は嘘偽りなく、彼女が楽しく創作活動ができればいいと思っていた。しかし、新着一覧に彼女の名前は見当たらない。私は彼女が今どうしているのか気になって、マイピクの中から探し出そうとした。
現在、私のマイピク数は400人となっている。彼女がブクマしてくれていればそこから簡単に辿ることができるのだが、新たにマイピクになってからは、彼女が私の小説をブクマしている形跡はなかった。そこで彼女について書いたブログ記事の日付を頼りに、いただいたメッセージの中からその名前を探した。
結果的に、彼女の名前はそこにも見当たらなかった。正確には、名前が変わっていたのだ。私は彼女とやりとりしたメッセージの内容を記憶していたので、そこから名前を変えた彼女を見つけることができた。どうしたのだろうと思いながら、私は久しぶりに彼女のプロフィールを開いた。
「アカウント停止」。彼女のプロフィール欄には、そう一言だけ書かれていた。以前と全く違う名前になり、小説作品も全て消えていた。
また、私が何も知らないうちに彼女は消えていた。アカウントは残っているので他の小説を読んでいるという可能性はあるが、筆を折ってしまったのかもしれない。私の中に「どうして」という気持ちが浮かんだのは一瞬だった。書くことを止めた理由よりも、何だか、虚しさのようなものが探ろうとする気持ちを砂に変えた。
形跡を探るようなことをしてしまったけれど、たぶん、これは彼女に対する執着ではないと思っている。今後、私が彼女の動向を追いかけることはない。私の小説を今も読んでいてくれたら、とは思うけれど。何かを続けていくことは、そんなに簡単なことではない。私自身が身をもってそれを知っている。
早く、新しい小説を書こうと思う。私の小説を読んでくれる人がまだそこにいるうちに。
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