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短編小説に捧ぐ

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2020年9月21日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年10月18日



結論から言うと、まだ『殺人の追憶』は見れていない。前回の記事を読んでいない方は意味がわからないと思うが、先に誰かが借りていたためにレンタルすることができなかった。というわけで映画鑑賞は一度ストップし、この休日は読書をして過ごそうと思っている。天気がいいようなので、散歩がてら近場に出かけるのもいいかもしれない。


それはさておき、最近になって一次創作の閲覧数が徐々に増え始めた。2019年の1月末から投稿を始め、すでに一年半以上が経過していることになる。増えたと言っても平均して二桁だった閲覧が三桁になったというくらいなので、それほど大きな変化ではないのかもしれない。しかし、コツコツと積み重ねてきたものに目を留めてくれる方がいるのだと思うと、それはそれで嬉しいものである。


私は短編小説を好んで読んでいるし、掌編小説、SS、短編小説にカテゴライズされる長さの小説を書いている。昔は死ぬまでに一つぐらいは長編小説を書いてみたいと思っていたのだけれど、ある時からそういう思いはなくなった。私は登場人物の細かな設定やプロットなど、下準備的なものを全くせずに小説を書くタイプなので、長い物語を破綻させることなく書き上げることはほぼ不可能だと自覚している。


今まで書いた小説の中で、一番長いものでも4万字程度だ。二次創作のシリーズになれば長編小説(一般的には8万字以上)と呼べるくらいの長さのものもあるが、一話完結の話を連ねるような形式なので、長編を書いていたという感覚はなかった。現在は自分の好みや長年の創作活動で文章のスタイルが確立され、完全に「短編書き」に落ち着いている。おそらく、この先も私が長編小説を書くことはないだろう。


世間的に(一次創作、二次創作に関わらず)、「文字数が多い方が優れている」みたいな風潮があるが、個人的にはあの考え方がどうも納得いかない。確かにpixivなどで短文(1000字にも満たないもの)を連投されると迷惑だが、それと作品の良し悪しはまた別の話だ。ダラダラと不要な文章が続く冗長な小説よりも、無駄のない文章できちんとポイントを押さえた小説の方が読んでいて遥かに充実感がある。


別に、長編小説をディスリたいわけではない。私が言いたいのは「文章の長さで小説の価値が決まるわけではない」ということだ。壮大な物語に感動することも、凝縮された物語に心を掴まれることも、同じくらい貴重な読書体験である。


一次創作のみで活動している現在、物語における自由度は高くなり、自分が目指すところも少し変わってきた。「書きたいものを書く」というテーマはそのままに、一分の隙もない、その物語に必要な文章だけを書きたいという欲が出てきたのである。いつになるかはわからないが、そんな小説を書くことができたら、今まで創作に費やしてきた時間が少し報われるのではないかという気がしている。

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