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私の一番のファンは私

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2022年4月18日
  • 読了時間: 3分


いつの間にか、淡々と日々を過ごしていたら四月も後半になってしまった。先月のブログ記事で何を書いたのかもよく覚えていない。どういうわけか、今月に入ってから小説を書くのも読むのもまるで興味がなくなってしまい、散文を一本書いたくらいでこれといった創作活動はしていない。創作に対する気持ちがこれほど凪いだ状態というのも久しぶりで、スランプになって焦っているわけでもないし、まるで自分が「書かない人間」になったような気分だ。


創作意欲が下火になってしまった原因は単純で、今年に入ってからまた新たな趣味ができてしまった。私にとっての三大趣味は「書き物・読書・写真」なのだが、そこに「コラージュ」が加わったのである。ジャンクジャーナルやスクラップブックとも呼ばれるもので、いわゆる「紙もの」をせっせと集めてコラージュに勤しんでいる。100円ショップの安価な紙ものでコラージュの練習をするところから始め、現在は様々な素材を買い足して新たな趣味を楽しんでいる。


新しい趣味が増えるのは喜ばしいことなのだが、自分でも引くぐらいにコラージュ素材を購入して散財してしまっているので、一旦、落ち着かなければならないと思っている。いやでも、コラージュってめっちゃ楽しいんですよね。イメージを決めたら後は作業なので気楽に取り組めるし、可愛い素材を眺めるだけでも癒されるし。暇さえあれば自分のコラージュノートを眺めてニヤニヤする日々を送っています。


ずいぶん前置きが長くなってしまったけれどここからが本題です。タイトルにもあるように、やっぱり自分の書いた小説が好きだなぁと思った話。ここ最近、ちょっとコラージュにハマりすぎてヤバいなと思っていた時、少しは書き物へ意識を向けてみようと思って自分の二次創作を読み返してみたことがあった。二次創作は私の中で過去のものになりつつあって、久しく触れていなかったのだが、一度読み始めたらびっくりするくらい自分の小説に萌えてしまった。


いや、もうマジで「我は天才か?」と思ったよね。そりゃ自分の妄想を自分好みの小説として書いているのだから萌えて当たり前なんですけど、それにしたって傑作過ぎない?みたいな。本当、もう自己肯定感が爆上がりで過去の自分に課金したいくらいでした。……恥ずかし気もなくこんなことを書いてしまって、自分のヤバさは重々承知しております。


過去にもらったコメントも嬉しいものばかりで、小説を読んでくれる人のためではなく、本当に自分が書きたいことを書いてそれを共有できていたことが単純にすごい。そして、好んで読んでもらえることをありがたいと思いつつ、それでも私の小説を一番読んでいたのは私自身で、楽しんでいたのも私だった。


頭の中にあるイメージを言葉に変換して、小説という形に整え、自分でもそれを楽しめるなんて控え目に言っても最高である。全然読んでもらえないとか、思ったように評価されなくて辛いという気持ちを味わったこともあるけれど、やっぱり自分で何かを作って完成したものを眺めるのって楽しいんですよね。自分の小説を一通り読み終えた後、あぁ、またこういう感覚が味わいたいなと純粋に思えたから。


とは言え、自分の中に書きたいイメージがないと小説を書こうという気にはならない。無理矢理にアイディアを頭の中から引きずり出して書くのは、あまり好きではない。それに、本当に書きたいと思って書いた小説というのは(あくまで個人的な感覚として)そうでないものに比べて面白い気がする。なのでもうしばらく、書きたいという衝動が自分の中に生まれるのを待とうと思う。書けないからといって焦る必要はない。他人のことも気にしなくていい。結局、私の小説を一番心待ちにしているのは私なのだ。

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