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純文学と閲覧数

  • 執筆者の写真: 雨
  • 2019年2月6日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年10月18日



ようやく一次創作の記事を書く時が来た。現在は二次創作をメインに活動しているが、学生の頃から今まで、私はずっと「純文学」の小説を書いていた。純文学がどういうものかについては説明が難しいのでWikipediaを参照していただきたい。夏目漱石や宮沢賢治、三島由紀夫に太宰治、現代では村上春樹の小説を思い出していただければ純文学の雰囲気はわかると思う。


前述した作家が凄すぎて安易に純文学を書いているとは言い難いのだが、自分の一次創作をカテゴライズするとすればやはり純文学と言うしかない。少なくともエンターテイメント小説ではないし、ライトノベルとも違う。おそらく「私小説」や「心境小説」といったものに近く、日常を切り取る感じの短編小説を書いている。


二次と同じように一次の小説も投稿サイトに投稿しているのだが、面白いほど閲覧数が回らない。まだ投稿を始めて数週間しか経っていないが、閲覧数はやっと二桁を超える程度だ。現在、いくつかある小説投稿サイトの傾向をざっと調べてみると、オリジナル作品でよく読まれているのは「異世界ファンタジー」というやつらしい。


私はラノベを一度も読んだことがないのでよくわからないのだが、ネット上で好まれるオリジナル作品はそこにカテゴライズされるものが多いと思う。明治から昭和にかけての文豪の作品ならともかく、今の時代、素人が書いた純文学をわざわざネットで読もうという人はいないに等しいのではないだろうか。


「純文学は読まれない」という現実を、私は小説を書き始めた頃から理解していた。それでも、某小説投稿サイト(すでに閉鎖してしまったが当時は有名なサイトだった)を利用していた時、今よりはたくさん反応をもらっていた。そのサイトの傾向もそこに集まって来る人達も、おそらく、自分の小説に合っていたのだと思う。


今の投稿サイトでは「絶対誰も最後まで読んでない……」と悲観してしまうような閲覧数である。しかし、それでも心が折れることはない。逆に、閲覧数が「1」増えただけでちょっとテンションが上がる。これはジャンルやCPの力で閲覧数が回る二次創作では味わえない感覚だ。先日、初めて一次創作の小説に「いいね!」がついた。記念すべき瞬間だった。


自分以外、誰にも読まれない小説だとしても、一次創作で純文学(寄りの小説)を書くのが楽しい。心や頭の中に留めておくことができない想いやイメージを言葉で羅列していくのが好きだ。そして私は、それが誰かの琴線に触れたと知った時、タイトルマッチの勝者ようにガッツポーズを決めるのである。

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