貴様とは相容れぬ
- 雨
- 2019年11月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年10月18日

私は今まで、二次創作における自分の地雷は何なのかということをあまり意識したことがなかった。CP(BL限定)の好みはあっても、自分の好きなCPが一番だというふうには考えていなかったし、どんな組み合わせでも絶対に無理だと感じるものもなかった(関心がなかった、と言った方がいいだろうか)。
小説の内容に関しては、特殊(あるいは嫌悪を感じるような)性的嗜好を扱ったものが苦手というくらいで、鬱展開や死ネタも積極的には読まないものの、まぁ許容できる範囲ではある。物語に説得力があれば問題はなく、自分では書こうと思わない設定でも、素晴らしいと感じる小説を過去に見つけたこともあった。
しかし最近、CPに関して地雷ができてしまった。どういうわけか、逆CPの名前を見るのも嫌になってしまったのである。「逆CP」とは文字通り受けと攻めが逆になったCPのことで、私の好きなCPが「BA」だとすると逆CPは「AB」ということになる。それに加えて、受けと攻めを固定していない「リバ」と言われるものもダメになってしまった。
過去のブログ記事で「読むジャンルと書くジャンルが別である」と書いた記憶があるが、この地雷は書くジャンルに限ったものである。そもそも、他の人が書いた作品を読まないのだから本来は気にする必要のないことなのに、どうしても逆CPが気に入らない。
私は受け攻めの固定厨だったのか……と、今更よくわからない状況に陥ってしまい、少し困惑している。二次創作の小説を書き過ぎて頭がおかしくなっているのだろうか。もしかしたら、自分の中で登場人物のアイデンティティが完全に固まってしまったのかもしれない。だから、それを脅かすような解釈をどうしても受け入れられないのでは……。
理由はどうであれ、今私が気になっているのは、自分の(Twitterではなく小説投稿サイトの)フォロワーに何人か逆CPの人がいることである。この間までは本当に好きなのが逆CPだろうと別CPだろうと「小説が読みたいならどうぞどうぞ」という感覚だった。雑食の人もたくさんいるだろうし、読者の好みは自分の気にするところではなかったのだ。
しかし今は、逆CPの人に自分の小説を読まれていると思うとモヤモヤする。読者の名前と好みを全て把握しているわけではないので、特定の個人の存在が嫌というわけではない。もっと言うと、その誰かが今も私の小説を読んでいるかどうかもわからない。私の中で、その存在を消してしまうことも決して不可能ではない。
人間は「歳を取ると頑固になる」とよく言われるが、とうとう私もそういう領域に達してしまったのだろうか。とりあえず、逆CPに関するストレスをコントロールできるようになりたいと思う。もっと柔軟に、自分の好きなものだけ見つめて生きていきたいのに、なかなか上手くいかないものである。
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