遺書を書いていた
- 雨
- 2019年10月17日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年10月18日

始めに断っておきますが、近々死ぬ予定はありません。タイトル詐欺になってしまうと思ったので、ここでいう「遺書」はただの比喩だということをご理解ください。
最近、私にしては長めの小説(一次創作)を投稿サイトに投稿した。美形の兄妹の話で、元々は単発の小説として、妹の一人称で書いたものだった。その後、ふと思いついて、今度は兄の一人称でまた別の小説を書いた。それをシリーズものにまとめ、過去の文章はきちんとブラッシュアップして更新した。
その作業をしている間、やっぱりBLではなく、私が書きたいのはこういう話なのかもしれないと感じていた。私が今よりも真面目に小説に取り組んでいた頃のことを思い出すようで、何だか少し切ない気持ちにもなった。需要があるのは圧倒的に二次創作の方なのに、少数にしか読まれないその小説が、とても大切に思えた。
実を言うと、後一作で現ジャンルのRPS小説が100作となる。目標としていたことが現実的なものになると、まるで憑き物が落ちたように、二次創作への熱が落ち着いてしまった。あぁ、もう書くのは無理かもしれない。「萌え」を動機として小説を書くことに、急に興味がなくなってしまったように感じて、活動停止の選択肢が頭に浮かんだ。
もしかしたらいくらか時間が経って、また二次創作をしたいと思える日が来るのかもしれない。一次と二次、それぞれで反対とも言える現象が重なったことで、片方を捨ててしまいたくなっているだけ。何でも自由に書けるのだから、わざわざ「止める」と明言する必要はない。
そういう気持ちを整理したくなって、私は「遺書」を書いた。二次創作で、自分の小説を読んでくださっている方に向けて、活動を停止しますという報告文を実際に書いてみた。一次創作のことは伏せ、余計な情報は入れず、簡潔に。感情を抑え、それでも最後にはきちんと今までの感謝を述べた。
すると、ざわざわしていた気持ちが少し落ち着いた。これでいつでも止められると思った。デスクの中に辞表を隠して働く刑事のような気分になった。この例えが正確なものであるかは疑問である。この報告文を使うことになるのか、保存したまま忘れてしまうのかは、今のところまだわからない。
いずれにせよ、一次創作と二次創作、どちらかの小説を書くのを止める時が来たらこのブログも終わりにしようと思う。このブログを始めた時、長くは続けられないだろうと思っていた。だから、終わらせることにそれほど躊躇いはない。
私は熱しやすく冷めやすい性格で、小説を、文章を書くことだけが例外だった。気持ちが常に一定であるわけではないし、感情的でないとも言い切れない。そんなことを今さら思い出す。積み上げてきたものが愛おしいのに、新しい場所に行きたくなってしまうのだ。そこがどんな場所なのか、深く考えることもせずに。
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